忍者ブログ
二次創作。はじめての方はat first はじめに をご一読ください。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 公瑾さん×花ちゃん前提で、おふたりの息子さんと花ちゃんです。夢に見た。
 ちょっと重いっぽいので、そういうのが苦手な方は引き返してくださいね。
 
 
 文若さんリクは、鋭意作成中です。今週後半くらいから更新できるといいなあ、と思ってます。
 
 
 

 
 
 母様。
 起きたの? こんな夜更けにどうしたの?
 父様はまだお帰りではありませんよね?
 うん、西に出かけているよ。このあいだ、一緒にお見送りしたよね。
 はい。真新しい甲冑がぴかぴかしていました。
 そうだね。
 ご武運を、と声をおかけしました。
 そうだね、笑ってたね。
 お前が母様をお守りするように、と言われました。
 うん。
 …母様。
 なあに?
 父様は帰って来ますよね。
 …怖い夢でも見たの?
 …はい。
 そう。
 母様は父様が亡くなるような夢を見たことがないのですか?
 たくさんあるよ。
 たくさん…母様はいつも笑っているから、そういうことは無いのかと思っていました。
 そんなことないよ。父様が側でお休みの時にも見たことがあったよ。ずいぶん叱られた。
 叱られたのですか?
 うん。わたしがこれほど近くに居ても疑うとは何事ですか、って。お前も分かるよね、父様は怒るととても怖いもの。
 はい。
 でも、いつだってきちんと帰って来て、抱きしめてくれるでしょう?
 …はい。わたしの留守中に、母様をきちんとお守りしていましたかと聞かれます。母様がご無事だと、それでこそこの家の長男ですと笑ってくださいます。
 そうだね。だから、父様が帰ってきたら、いちばんにお出迎えしようね。笑って、走って、お出迎えするの。
 母様ってば、父様にまた叱られますよ。女子が走ってはしたない、って。まして母様はいま、わたしの弟か妹を身ごもっておいでなのですから。だからわたしにも、母様の無茶にはじゅうぶん気をつけるように、きちんと止めるようにと言って行かれたのですよ。
 うふふ。
 …母様。もう父様の体にあんなひどい傷が増えるようなことはないですよね。
 増えないといいね。そういうふうに、神様にお頼みしようか。
 でも、神様にお祈りすると、父様はお叱りになります。神になど祈らなくても、わたしはわたしの才覚で無事に戻ります、と。
 ふふ、そうだね。
 …あ。
 なに?
 母様、いまとても幸せそうでした。
 だって、そういう父様は格好いいもの。
 …わたしも、そう思います。
 そうだよね、嬉しいな。…ね、だからわたしたちも元気でいようね。父様を笑ってお出迎えできるように。
 はい!
 …もう眠れる?
 はい。おやすみなさい、母様。夜にお邪魔してすみませんでした。
 いいえ。ありがとう、父様を心配してくれて。おやすみなさい。
 はい、おやすみなさい。
 
 
 
 …公瑾さんはいつも、わたしより自分の心配をなさいと言うけれど。
 帰ってきた公瑾さんに笑顔を返すことがわたしの、わたしたちの大事な仕事だから。
 たくさん心配するから、帰ってきてくださいね。
 そうしてまた、わたしの心配を笑ってくださいね。
 
 
 
(2010.8.22)

拍手[49回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
プロフィール
HN:
のえる
性別:
非公開
メールフォーム
カウンター
アクセス解析

Template "simple02" by Emile*Emilie
忍者ブログ [PR]