お月見、にちょっと遅れてしまいました…不覚でございます。
　リクエストありがとうございます。小ネタです。
　
　

　
恋人編。
　
　
　「今日はお月見できませんねえ。」
　「雨だからな」
　「今年は落ち着いてできるかと思ったんですけど」
　「代わりと言ってはなんだが、これをお前にやろう」
　「きれいな箱！」
　「…中身だ」
　「あ…鏡ですか？　うわあ、きれい！　全体に大きなお花が咲いてるみたいな模様になってる。」
　「少し前の流行り物だが、研ぎ直させた。いまの流行はもう少し込み入った模様なのだがな…」
　「でもこれ、とっても素敵です。お花のまわりも水の波紋みたいになってて…ありがとうございます！」
　「気に入ってくれたなら、良かった」
　「でも、代わりって？」
　「…」
　「文若さん？」
　「丸く、光るものだ」
　「ああ！　ああ、そうですね！」
　「…柄にもないことをしている、と思っているだろう」
　「いいえ？　うふふふっ、嬉しいです」
　「…そうか」
　「文若さんがわたしに月を取ってきてくれたんですよね？　大事にします！」
　「そうか」
　「うふふふふ」
　「そんなに嬉しいか？」
　「はい！　孟徳さんに自慢しちゃおうっと」
　「それは止めろ。」
　「え？　駄目ですか？」
　「絶対に・駄目だ。」
　「はあい…」
　
　
　
家族編。
　
　
　「～♪」
　「うさぎ～♪」
　「…母上」
　「なあに？」
　「今の歌ですが、どうして兎が月を見て跳ねるのですか？」
　「どうしてだろうね？」
　「ご存じなくて、歌っているのですか？」
　「うん！　楽しそうでいいじゃない？」
　「楽しそう～！　楽しそう～」
　「…母上らしいです」
　「兄上も踊りましょう～」
　「あ、こら、わたしは…」
　「♪～」
　「…♪～…」
　
　
　
（２０１０．９．２３）
　

[34回]