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二次創作。はじめての方はat first はじめに をご一読ください。
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 さいきんちっちゃい更新ばかりで申し訳ないです


 

「お帰りなさい公瑾さん!」
馬を家人に預け、こちらに歩いてくる公瑾に近寄る。彼はゆっくり微笑んだ。前にはなかった、少し力の抜けたような笑みが分かる。
「ただいま帰りました。良い子にしていましたか」
…まあ、言う言葉は相変わらずなのだけれど。しかし花は、今日はそれに突っ込まなかった。大事なユメを叶えるのだ。
「あの、それで、それですねっ…えーと、ご飯にしますかお風呂にしますかそれともわたし?」
公瑾は歩みを止めた。花を笑顔のまま見下ろしている。
怒るか、馬鹿にされるだろうと思った。しかし、やはり一度は言ってみたい。あちらで都市伝説の如く聞いた「裸エプロン」は、さすがに家人もいるし無理だが。
公瑾があんまり固まっているので、花はとても不安になって小首を傾げた。その途端、長い長いため息が彼の口から漏れた。
「納得がいきません」
心外そうな低温の声に、花の背が跳ねた。
「あ、あの、これはですね、むこうで、新婚さんが言う台詞っていうか、言ってみたかったというか」
「なぜ選ばなければならないのです。まったくもって、納得がいかない」
花はぽかんとした。
公瑾が、字を教える時の眼差しになって花の正面に立った。
「正しくは、食事とわたし・入浴とわたし・就寝とわたしのどれを先にしますか、でしょう。」
にこり、と彼が笑う。花は首を傾げた。
「でもそれだと、普通…ですよ?」
「そうですね。ということは、聞くまでもないということです。」
ああ、と思わず感心した花に、公瑾は渋い顔をした。
「ひとつだけを選ばせられるなど、心外だ。」
「すみません…」
「分かれば宜しい。」
「じゃあ、えっと…着替え、手伝いますね!」
「お願いします」
すっと差し出された公瑾の腕に軽く手を掛けると、彼は今度こそ、やわらかく微笑った。

(2011.7.22)


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