二次創作。はじめての方はat first はじめに をご一読ください。
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☆ご注意ください☆
この「幻灯」カテゴリは、chickpea(恋戦記サーチさまより検索ください)のcicer様が書かれた、『花孟徳』という設定をお借りして書かせていただいているtextです。
掲載に許可をくださったcicer様、ありがとうございました。
『花孟徳』は、最初に落ちた場所が孟徳さんのところ・本は焼失・まったく同じループはない、という超々雑駁設計。 雑駁設定なのは のえる の所為です。
何をよんでもだいじょぶ! という方のみ、続きからどうぞ。
(流れは、幻灯 8→11→13→16→21→23→24となります。)
この「幻灯」カテゴリは、chickpea(恋戦記サーチさまより検索ください)のcicer様が書かれた、『花孟徳』という設定をお借りして書かせていただいているtextです。
掲載に許可をくださったcicer様、ありがとうございました。
『花孟徳』は、最初に落ちた場所が孟徳さんのところ・本は焼失・まったく同じループはない、という超々雑駁設計。 雑駁設定なのは のえる の所為です。
何をよんでもだいじょぶ! という方のみ、続きからどうぞ。
(流れは、幻灯 8→11→13→16→21→23→24となります。)
ため息をついた玄徳を、孔明が可笑しそうに見た。
「いかがなさいました。先程からずいぶんとため息が多うございます」
「ん? そうか?」
「ええ。恋煩いでございますか」
「馬鹿を言え」
苦笑すると、孔明は軽く一礼した。玄徳は頬杖をついた。
「孟徳は何を考えているのかと思ってな」
孔明は簡を机に置いた。
「我が君までが、彼女に囚われますか?」
「俺はあいつに囚われているといえばそうだ。あいつはずっと、俺の対すべき相手だ。」
きっぱりと言うと、孔明は目を細くして微笑んだ。
「何か言われましたか」
「帝には俺が居る、と」
「喜ぶべきことではございませんか。欲を言えば、もう少し早く言っていただきたかった気もしますが」
「孔明らしいな。…そうだな、俺は喜ぶべきなんだろう。しかし、あいつのことだから、素直に頷くのも癪だ」
「我が君は正直でいらっしゃる。」
孔明は軽く頭を下げた。
「何が引っかかっておいでなのでしょう」
「あいつのこのところの様子だな。そこから考えると、どうも、殊勝な心で出た言葉のようには思えん」
「殊勝、など」
孔明が可笑しそうに笑う。
「あの方に求めるべき言葉でございますか?」
「そうかもしれんがな。帝はあいつをとかく信頼なさっている。それをこの期に及んで放り出すような」
「帝はあの方を、母とも姉ともお慕いでございますからね。確かに、三国が帝をお支えするというかたちを提案なさった方ではありますし、己の、帝に対する影響力を少しづつ弱めていくおつもりもあるのかもしれません。頼るべきはひとりではないと帝が認識なさることが、この先、何よりも肝要でございます」
玄徳は目を伏せた。
「…やはり、駄目だな。どうもうまく伝えられない。あいつは、それだけの意味ではないように思うのだが」
孔明は羽扇を手に持った。
「我が君がお気になさっているのは、近頃のあの方の夜の評判ゆえ、でございましょうか。」
「あ、ああ、まあな」
「どうぞお気になさいますな。所詮は他人の色恋。」
玄徳は少しばかり意外に思って彼を見た。
「割り切るな、孔明は」
「事実でございますよ。我々にできるのは、いつ何時、なにがあっても帝をお守り申し上げるという心づもりだけです」
「…お前は、そういう事態が近々起こりうると考えているのか?」
孔明は僅かに目を伏せた。
「そう望む者は誰一人おりませんでしょう。しかし、結果としてそうなることはあるやもしれません」
「回りくどいぞ」
「仕方在りません、回りくどい方ばかりで。…我が君、ひとつ、戯れ言と思ってお聞き下さい。」
玄徳は背を伸ばした。
「お前から戯れ言など聞いた覚えはない」
「ありがとうございます。…わたしの目には、あの緋色の衣の方は、既にこの世を諦めているように思えるのですよ。」
「どういう意味だ?」
「余生に入ってしまったかのような…そう、隠遁してしまったかのような印象を受けます。」
「ばかな、あの女がそのような」
「ええ、どなたもがそう思うことでしょう。兵を鍛えることを忘れず、主上の近辺に気を配ることを怠らず、呼び寄せた他国の軍師を相手に言葉遊びをしておられる。実に覇者らしい。」
「なら、なぜお前はそう思う。星にでも現れているか?」
用心したような玄徳の声に、孔明は一瞬、瞑目した。
「…いいえ」
ため息のように言うと、玄徳が首を傾げた。孔明があるじに、笑いかけた。
「無論、それは日々刻々と変わるもの。今夜は違う光かもしれませぬ。しかし、気に掛かります」
それきり、何も言う気はないという風情で簡に目を戻した孔明に、玄徳は深く息をついた。
(2011.7.25)
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