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二次創作。はじめての方はat first はじめに をご一読ください。
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 リクエスト頂戴しました、ありがとうございます。
 おひげ小話、細目さん編です。長いネタもあるんですけど、そちらはもう少しお待ち下さいませ。
 
 
 

 
 


 
 
 花は、うっとり目を覚ました。隣には、眠る時には居なかった文若が深い寝息をついている。この温もりのおかげで、文若とずっと手を繋いで歩いている夢を見た。孟徳に話したら苦笑されそうなほどささいな夢だけれどとても嬉しい。
 また夫は遅かったな、と、彼女は小さく息をついた。これで三日連続だ。昨日の昼に会った孟徳も憔悴しきっていたし、何ヶ月かに一度はそういう波が来るものらしい。花はそっと、青ざめたように見える夫の頬に手を滑らせた。
 起こさないようにと静かに触れたつもりだったが、彼は瞼を動かし、目を開けた。花は慌てた。
 「はな…?」
 ぼんやり呼んだあと、彼はほんの少し笑った。
 「まだ大丈夫ですよ。」
 囁くと彼はかすかに頷き、花の手を追うように唇を近づけた。僅かな息が手のひらをくすぐり、花は微笑んだ。
 「…ん…?」
 「いいえ。もう少しおやすみなさい」
 「ああ…もう少し、したら…」
 「はい、起こします」
 文若は子どものように頷いて、また寝息を立て始めた。花は頬に触れるだけの口づけをして少し目を見開いた。
 昨夜は湯浴みをする間も惜しく寝たのだろう、彼の肌には少しざらついた髭の感触があった。もともと薄いたちなのかあまり分からないし、身だしなみも仕事のうちだと言う彼には珍しい。この分の時間も考えて起こそう。花は彼の傍らからそっと滑り出た。
 
 
 
(2010.7.23)

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