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二次創作。はじめての方はat first はじめに をご一読ください。
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 兄い小ねたです。
 兄いは時に、丞相よりも、花ちゃんが「自分の特別ではなくなる」ことに対して恐怖を抱いている気がしてしまうです。一回、彼女が丞相に掴まっている所為か。
 

 
 
 「花!?」
 「きゃ! …げ、玄徳さん」
 「なんだこの腕は? あざだらけになって…どうしたんだ」
 「あ、あの、ちょっと、鍛錬を…」
 「鍛錬? 何の鍛錬だ」
 「あの…わたし、弓も剣も何にもできないので、せめてちょっとした護身術くらいは使えるといいなあと思って、いま、習ってるんです」
 「誰に」
 「師匠です。あれだけ放浪してたんだからボクも少し腕に覚えがあるよ、って言ってくれたので。」
 「孔明が」
 「はい。まだはじめてから五日目くらいなんですけど、体中が筋肉痛です。ボクに勝つのを取りあえず目指すんだね、って言われたんですけど、かなり頑張らないと駄目ですね…ああもう、悔しい。」
 「…花」
 「どうしたんですか? そんな真剣な顔をして、手を握ったりして…」
 「俺は、お前を護ると誓った」
 「は、はい」
 「お前には俺が、誰も近づけさせない。だからそんなものを習わなくていい。聞き入れてくれるな?」
 「…嫌です」
 「花!」
 「わたしだっていざという時には玄徳さんを護らなきゃ…猫がひっかくくらいにしかならないかも知れないけど、でも、何もしないでいるのは嫌です」
 「…なあ、花」
 「はい」
 「お前の役目は、この目で、唇で、俺に行くべき道を示すことだ。お前の手に、足になるのは俺の役目だ。俺からそれを奪わないでくれ。…いっそ、自分を護れと命じてくれないか。」
 「…」
 「花?」
 「わたしにだって手も足もあります。だから、二人ともお互いにその役目ができますよ。…ね、だから、もう少しだけ見守っていてくれませんか。」
 「だが」
 「お願いです。」
 「…」
 「玄徳さん?」
 「…分かった。」
 「ありがとうございます!」
 「だが、学ぶのは芙蓉からにすること。…頼む、芙蓉にしてくれ。」
 「あ、はい…もともと芙蓉姫もいろいろ教えてくれるって言ってましたし…でも、どうしてですか?」
 「孔明は今や国の大事な柱だ。お前も弟子とはいえ、そういった武芸の鍛錬相手に軽々しく選んでいい身分ではないと思うぞ。孔明になにかあったら、国が止まる」
 「そっか…深く考えずにすみませんでした。明日、師匠に謝ります」
 「ああ。」
 
 
 
 (ねえ花。なにか最近、恨みがましい視線を感じるのだけれど)
 (え? なに? 怪談? いやだよ、怖いよ芙蓉姫~)
 (そうね、怪談ならいっそ簡単ね…)
 
 
(2010.07.04)
 
 

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