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二次創作。はじめての方はat first はじめに をご一読ください。
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 「公瑾さんちの花ちゃん」と「文若さんちの花ちゃん」と「孟徳さんちの花ちゃん」と「玄徳さんちの花ちゃん」が、それぞれのご主人さまと話している、小ネタです。
 
 
 


 
 
 「公瑾さん、どうかしましたか?」
 「尚書令殿の花殿は、淑やかでいらっしゃる。」
 「そ、そんなことないです。いつも回廊を走って文若さんに叱られます」
 「そこはわたしの花も同じですね。あなたのところでは叱られないのですか?」
 「元気がいい、って言われます。あ、もちろん、学校の廊下を走ったら怒られますけど。けっこう走りましたよ? 学校に遅刻しそうになる時とか」
 「それでは、いま、あなたが走るのはどんな時ですか? もう、学校、とやらは無いでしょう?」
 「そうですね、好きなひとを見付けた時、かな。」
 「…」
 「公瑾さん?」
 「いえ…尚書令殿もご苦労なさっておいでのようだ。」
 「え? え?」
 「そんな笑顔を、想う方以外に見せるものではありません。不用心なのもわたしの花と同じですね。」
 「あ、あの、でも、誰かに見せたいとかじゃなくて、わき上がってくるんです。どうしようもないんです。文若さんを見るだけで嬉しくてたまらなくて、あの、きっと周花ちゃんもそう思うだけなんだと思います!」
 「…ですからその率直さに勝てないと申し上げているのですよ。」
 
 
 
 「文若さん?」
 「あ、ああ…」
 「どうしたんですか?」
 「いや…思えば、劉皇叔のあなたに会うのは何やら眩しいような気がする。」
 「わたし、わたしのところの魏から逃げてしまいましたし。ごめんなさい」
 「わたしに謝られても困るのだが…」
 「でも文若さんはとっても優しいひとだって荀花ちゃんから聞いてますから、いまはわたし個人的にはすごく安心してるんです。こうして向き合ってても嬉しいくらい。」
 「わたしが、優しい?」
 「はい! 急に寒くなってくしゃみをした次の日には海獣の毛皮で作った襟巻きを買ってくれたとか、寝所に火鉢を増やしてくれて、でも寝ぼけた荀花ちゃんがつまづきそうになって困ってたとか、たくさん聞きましたから!」
 「!」
 「文若さん? あ、文若さんってば、そんなに急いでどこに行くんですか~?」
 
 
 
 「…孟徳…さん?」
 「あ、ごめんね、えーと、都督のところの花ちゃん。」
 「そんなに、心配ですか? 曹花ちゃんのこと」
 「心配っていうんじゃないんだよ。不愉快なだけ。」
 「え?」
 「花ちゃんは全然悪くないよ。 でもさ、なんで玄徳のところになんか嫁ぐの?! 納得いかない! ぜーんぜん納得いかないよ!」
 「孟徳さんは、わたしなら納得がいくんですか?」
 「え?」
 「わたしだって孟徳さんを敗退させた側です。その男に嫁いだわたしは許せるんですか?」
 「…花ちゃん」
 「ごめんなさい、きつい言い方をして。でも、わたしも公瑾さんが好きなんです。劉花ちゃんもすごく遠回りしてやっと玄徳さんに想いを伝えられて嫁いだって言ってました。だから、劉花ちゃんが玄徳さんを大事にしてることだけは知っていて欲しい…知っているだけでいいんです。それを断ち切ってしまうものがあるのを承知で、でも捨てられなくてわたしたちは頑張っているんですもの。」
 「やだなあ…遠回り、だなんて。俺みたいじゃない。」
 「孟徳さん…」
 「花ちゃん、慰めて! 撫でて撫でて!」
 「え? あ、あの、これでいいんですか?」
 「うん! あー、和む~」
 「も、孟徳さん…あの、ちょっと、公瑾さんが凄い目で睨んでるので…ご、ごめんなさいっ」
 
 
 
 「やあ、花」
 「玄徳さん!」
 「…ああ、笑顔は変わらないな。お前も幸せなんだなあ。」
 「はい。ちょっと困ったところもありますけど、それなりにやってます。」
 「それなりか、ははは。ところで単なる興味なんだが、困ったところというのはどういうところなんだ?」
 「えーと、高価な髪飾りばかり贈りたがるとか、仕事をさぼってわたしの膝枕ばかりねだりたがるとか…でしょうか。」
 「膝枕か、あれは気持ちがいいしな。俺も花にねだるぞ?」
 「それがもうしょっちゅうなんですー! 文若さんに揃って叱られるんですよ? もうずいぶん怒られてますけど、そのたびにしょうがないなあって思います。」
 「俺も花の膝枕で寝ていると、花までうたたねしてしまって、芙蓉や雲長に『示しがつかない』と怒られるな。しょうがない、と俺も思われているのだろうかなあ…」
 「でも劉花ちゃんは許してくれるんでしょう? 大丈夫です!」
 「そうだな。ありがとう、花。…おっと、つい昔の癖で撫でてしまうそうになった。」
 「撫でられたら嬉しいですよ?」
 「いまは止めておこう。お前の頭を撫でたくらいで戦を起こしそうなやつがいるからな。」
 「しょうがないひとですね。」
 「いっぱしの女の顔だな? 眩しいくらいだ」
 「玄徳さんに言われると照れますね…」
 
 
 
 (2010.12.24編集)
 

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