（ｐｓｐスペシャル）

「荀花ちゃんのとこって、大変だったのねえ」
「はい？」
「そうそう、まさか元譲さんがねえ」
「大変だよね、元譲さんって」
「そそそそその話ですか！？」
「宴をひらくとかね！　ノリノリじゃない、丞相さま」
「呼んでほしい。というかむしろセッティングしたい」
「そ、そんなの、玄徳さんのところだってパンダ飼うとか！」
「パンダかわいいよー！」
「かわいいよね！」
「そうよ、うちなんて、高校生の年齢にしてカレシに隠し子騒動だったんだから」
「へましないって言ってたよ？　すごいね」
「凄いって、あなたね…」
「あれだけ人気あるもんね」
「うちは隠し子だけはないかな？」
「かな～、じゃなくて、無いでしょ」
「宴を開くときは呼んでね？」
「お祝いにパンダあげるねー」
「そもそもやりません！」

　「隠し子ねえ」
　「事実無根だったのですから良いでしょう。そちらこそ、部下の恋の揚げ足を取るようなことをなさっているとは、魏とはうらやましいほど暇ですね」
　「忙しいからやってるんだよ。でないと、忙しい、の一言で花ちゃんを後回しにしそうだからな。俺は俺の考えが良くわかるぞ」
　「金輪際やめていただきたい」
　「まあ、どのみち巻き込まれるもんだよな…」
　「仲謀殿は苦労なさっておいでなのだな」
　「何、他人事みたいに言ってんだよ。あいつは玄徳軍に帰るとか帰らないとかで大変だったんだぞ」
　「おお、花はいつでも帰ってくればいい。改めて言っておかねばならんな」
　「良い度胸だな玄徳。」
　「孟徳のところの花には何度言っても言い足りないということはないな」
　「またか！」


（２０１２．８．６）

[32回]